風発_住民説明会 ✒️ 公開: 2025-12-13

昨夜、事業者主催で江府町住民対象の説明会がありました。予定時間に収まらず、質問・回答を重ねる毎に不信感が募り質問が尽きませんでしたが、30分延長でやむなく終了。その事業者説明と質疑応答の内容をざっくりと整理(AIによる)しました。

まず正直な感想として、なぜ地域住民との信頼関係を構築しようとしないのかと不思議に感じました。住民との共生や合意形成を大切にしたいと何度も言われるも、「弊社はいつもこうだから質問者は名前と住所を必ず述べて」「リポストは名誉毀損に当たる行為」など少しも譲歩しない姿勢。素朴な疑問や不安を投げかける町民との対比が印象的でした。

何を目的に説明会を開いたのだろう?町民の納得などかまわずに強行で進めるつもり?などと一層不安になり、これまで以上に当事業への反対意思が強くなりました。

1. 開催概要

  • 日時:2025年12月12日 19時〜21時半
  • 場所:鬼の館 〒689-4207 鳥取県西伯郡伯耆町宇代891
  • 参加者:鳥取西部風力合同会社(日本風力エネルギー株式会社)・一般財団法人日本気象協会・パシフィックコンサルタンツ株式会社

2. 説明会を踏まえた問題整理(AIを使用して作成した動画※前川確認済)  

動画のリンク→view

※訂正: 動画2:32 江府町がどうしても「エフ町」になってしまいます/動画4:14 でシャドウフリッカーに関して「空き家」と言ってますが、正しくは「物置」です。

3. 開会および事業者の基本方針(ここからはAIを用いて整理した文章※前川確認済)

本説明会は、今後提出を予定している環境影響評価準備書に記載される調査・予測・評価の結果について、事前に地域住民へ情報提供を行うために、事業者が任意で実施するものである旨が冒頭で説明された。

続いて、伯耆町、日野町、江府町の各町長および鳥取県知事が事業への反対を表明したことに対する事業者としての見解が示された。事業者は、この反対表明を極めて重く受け止めていると強調。その一方で、環境への影響に関する具体的な調査結果が未提示の段階で反対表明がなされたことに対し、「残念である」との心情を吐露し、対話の機会が十分に与えられなかったという認識を示した。しかし、事業者としては今後も説明責任を尽くす姿勢を崩さず、「地域との共生なくして事業の成功はあり得ない」という基本方針を堅持し、地域住民の理解を得るための活動を継続していく決意が表明された。

この基本方針の説明に続き、事業を推進する企業の概要説明へと移った。

4. 事業者および事業の概要

事業者である日本風力エネルギー株式会社は、アジア太平洋地域で最大級の再生可能エネルギー事業者であるヴィーナ・エナジー(本社:シンガポール)のグループ企業であることが紹介された。ヴィーナ・エナジーグループは日本国内で既に多数の太陽光・風力発電所を運営しており、全従業員の約4分の1が現地事務所に常駐し、維持管理を行っている実績が強調された。

本事業計画の具体的な内容は、以下の通り。

  • 事業者: 日本風力エネルギー株式会社(ヴィーナ・エナジーグループ)
  • 事業計画:

◦ 場所: 鳥取県(伯耆町、日野町、江府町にまたがる尾根筋)

◦ 風車: 22基

◦ 主要諸元: 羽根の直径 171m、最高到達点 196m

◦ 総出力: 143MW(1基あたり6.5MW)

事業全体の輪郭が示された後、説明は具体的な環境への影響に関する評価報告へと進んだ。

5. 環境影響評価の状況報告

環境影響評価は、事業が周辺環境に与える影響を科学的に予測・評価し、対策を講じることを目的とする。今回の報告では、特に住民の関心が高い生活環境に関連する項目に焦点が当てられた。各項目の調査結果と事業者の評価は以下の通りである。

  • 計画変更点 環境影響評価方法書の段階から計画を見直し、事業実施区域を約23%縮小(63.7ha)したことが報告された。
  • 騒音・低周波音 風車配置の変更に伴い追加調査を実施した結果、予測される騒音レベルはいずれの地点においても国が定める指針値を超過しないことが確認された。
  • 水質汚濁 工事に伴い発生する濁水は、沈砂池で処理された後、林地を流下する過程で土壌に浸透するため、河川まで到達することはないと予測された。
  • 土壌 事業実施区域内の代表的な2地点で土壌分析を実施した結果、自然由来の特定有害物質(重金属類)はいずれも基準値を下回っていた。
  • 景観 複数の視点場からの景観シミュレーションを実施。風車が景観に圧迫感を与え始めるとされる垂直視野角(8.0度)に対し、本計画での最大値は6.7度であった。また、周辺環境との調和を図るため、風車に環境融和色を採用することを検討している。
  • 電波障害 テレビ電波の受信状況調査を実施済みであり、影響が懸念される箇所については、個別の対策を講じる方針が示された。
  • シャドーフリッカー(風車の影) 日照などの気象条件を考慮した詳細な予測の結果、影の影響時間が参照値(年間8時間)を超える家屋は2戸とされた。そのうち1戸は物置、もう1戸は敷地内の樹木によって影響が遮蔽されると評価された。

これらの評価項目に関する報告に続き、さらに住民の関心が高い事項についての補足説明が行われた。

6. その他の説明事項(土木設計・安全対策、地域連携、今後の予定)

環境影響評価の法的な枠組み以外にも、住民から多くの懸念が寄せられている土木工事の安全性、地域との関係構築、事業全体のスケジュールについて、事業者側から詳細な補足説明がなされた。

  • 土木設計と災害対策 3次元動画を用いて造成イメージを提示。工事で発生する切土と盛土は事業区域内でバランスさせ、場外への土砂搬出は行わない計画であると説明。のり面の安定計算や、近年の異常気象を考慮し変化倍率(1.1~1.2倍)を適用した排水設計など、各種基準に則り安全性を確保する方針が示された。
  • 地盤の安全性 ボーリング調査の結果を鳥取大学の藤村名誉教授が確認し、「杭基礎等の適切な基礎工法を採用することにより、構造物の建設は可能である」との見解を得ていることが報告された。
  • 記事・勉強会への反論 新聞記事や勉強会で指摘された事項について、事実誤認があるとして事業者側の見解を説明。特に長周新聞の記事が指摘する「資本金100万円で会社を倒産させ、撤去費用を免れる」という主張に対し、同席した弁護士が反論。事業会社が持つ「責任財産」とは、資本金だけでなく風力発電設備、不動産、預貯金など全ての財産を指すため、資本金のみを放棄して責任を免れることは非現実的であると解説した。
  • 土地契約書の見直し 地権者との契約内容をより分かりやすくするため、①将来の融資を見据えた条項の割愛、②契約更新方法(もとの地上権設定契約では事業者の一方的な通知で20年の延長可能)を合意方式へ変更、③事業者側の制約事項の具体化、という3点の見直しを地権者の要望があれば相談に応じることが報告された。
  • 地域との共生事例 青森県での林道活用事例や、福井県での売電収益の一部を地域に還元する仕組みが紹介された。本事業においても、福井県の事例を参考に、年間約5,000~7,000万円規模の地域還元策を検討していることが明かされた。
  • 今後の予定 環境影響評価準備書の公告・縦覧は2026年5月下旬頃、建設工事の開始は2028年8月頃、商業運転開始は2032年9月頃となる見通しが示された。

以上で事業者側からの説明は終了し、会場の参加者との質疑応答の時間へと移った。

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7. 質疑応答の進行方法に関する質疑

質疑応答の冒頭、事業者が質問者に氏名や住所を尋ねる方針を示したことに対し、参加者から強い懸念が表明された。個人情報を伝えることへの抵抗感とともに、そのような要求が自由闊達な質疑を萎縮させ、公平性を損なうのではないかとの厳しい指摘がなされた。これに対し、事業者側は、事業者主催の任意の説明会における社内ルールであり、すべての説明会で同様の対応をしている、との回答に留まった。 ※詳細は下記↓

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※同日23時前川追記 「質問者は住所・名前を表明は経産省が決めている」は本当か?

Q:「不安だから質問時に、住所と名前を言うのを無しにして欲しい」

A:「それはできない。経済産業省が取り決めている説明会ガイドラインにそう書いてある」

本来自由に行えるはずの表現行為や批判的言論が、事実上の制裁や不利益を恐れて自粛されてしまう。発言者がそのような不安を理解して欲しいと頼んでいたにもかかわらず。

事業者は住民とどういう関係を構築をしたいのか?一般住民にはその有無を確認できない(明確に規定したものは憲法趣旨からしてないと推定)ガイドラインを根拠にするのは、とても感じが悪く思いました。

8. 土木工事の長期的な安全性に関する質疑

事業終了後の長期的な安全性について、住民から切実な懸念が示された。造成したのり面が数十年後に風化・劣化し、災害リスクとなった場合の責任の所在を問う声に対し、事業者はまず事業期間中の維持管理を徹底すると回答。事業終了後の原状回復については、国が2027年に導入予定の撤去費用積立制度の中で造成地の扱いも議論されるとの見解を示した。これに対し同席した弁護士は、盛土規制法を根拠に、事業者が「原因行為者」として知事から是正措置命令を受ける可能性があると法的な観点から補足した。

9. 行政の反対表明に関する質疑

地域の代表である3町長が反対、県知事が懸念(同日17時修正)を明確に表明している状況で、なぜ事業を推進しようとするのか、その根本原因を事業者はどう分析しているのか、という問いが投げかけられた。 事業者は、反対表明は重く受け止めていると前置きした上で、事業者側の取り組みの実態を随時首長へ説明する機会が不足していたことを反省点として挙げた。計画の詳細が完成する前に反対表明がなされたことは残念であり、対話の余地は十分にあると考えている、と回答した。

9-2. 町民を分断しているとの質疑(※同日17時追記)

数年前に防災センターで説明があった記憶があり、今回の担当者がその方かを確認。知事が経産省へ意見書を出し、3町長も反対しているのに事業者が説明を進めることは、町民を分断し、静かな暮らしに争いを持ち込む行為に見え、地域共存とは思えない。町民をどう考えているのか、溝口の人を思うと気の毒との意見。 事業者は防災センターでの実施はないと説明(防災センターでの説明会はある資料P.3)。町の分断という指摘は理解する一方で、以前から賛同・支援している人もいるため、現時点で「二分」だとは考えておらず、こういった対話を今後も続けたいと回答。

10. 事業計画の変更理由に関する質疑

事業計画から南部町が除外された理由について、町長への説明(事業性)と新聞報道(生態系への配慮)で内容が異なり、一貫性がないのではないかという矛盾点が指摘された。事業者側は、町長への説明と新聞報道の内容は矛盾せず、「事業性と環境負荷低減を総合的に勘案した結果」という点で一貫していると主張した。報道で齟齬が生じた理由として、事業責任者は「環境負荷低減のために区域を縮小した結果、事業性を担保できる配置を再検討したところ南部町が外れた」という複数の経緯が省略された結果ではないか、と推測を交えて説明を試みた。 ※詳細は下記↓

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※同日22時前川追記 「なぜ南部町を計画から外したのか?」への回答の不整合

Q:「7月3日、白石江府町長に対しては南部町が外れる理由は「事業のエリアを狭くして、再考したいから」と説明したと聞いている。一方、11月21日の日本海新聞には「南部町案をやめた理由は、生態系への影響を懸念する住民の方々の声があったから」ということが書かれています。どうなっているのか?」

A:「1、生態系への影響を考慮して事業実施区域を縮小させた。    2、事業性を考えて縮小をさせた結果、南部町には風車を配置しなかった この2つの理由の初め終わりを取ると、”生態系への影響を考慮したから南部を外した”という言い方になる。そこの間が抜けた報道になったのではないか。」

とかみ合わない回答。

質問者の言うとおり新聞にも事業者のホームページ〈ページ21 質問№83〉にも、「生態系への影響を懸念する住民の声があったこと」が、南部町をやめた理由としてあげられている。

↑業者のホームページ〈ページ21 質問№83〉より抜粋

7月3日の白石江府町長への説明だけで無く、11月公開の伯耆町への回答と、昨日(12月12日)の回答もまた不整合。なぜ相手によって言う事を変えるのでしょうか? 

住民の懸念が理由になるのであれば、南部町と同じく生態系への影響を懸念している江府町も計画地から外してもらいたいです。すぐにでも

11. 風車の大型化に関する質疑

景観への圧迫感を懸念する声に対し、事業者はなぜ風車をより大型にする必要があるのか、総発電量を減らしてでも事業規模を縮小する選択肢はないのか、という根本的な疑問が呈された。事業者は、風車の大型化が土地改変面積の大幅な削減(34基→22基)に繋がるという、環境負荷低減の観点からのメリットを強調。総発電量については、国から受けた事業認定(FIT認定)で定められており、これを変更すると認定自体を失うと回答した。

12. 水質への影響に関する質疑

工事排水に含まれる物質の具体的な分析が不足しており、予測通りにならなかった場合の河川生物への影響をどう担保するのか、という強い懸念が示された。事業者側は、環境影響評価とは別に、企業の自主的な取り組みとして「利水調査」を実施すると回答。工事前から工事後数年間にわたり、住民が利用する水源の水質・水量を継続的に調査し、事業による変化がないことを確認することで安全性を担保する方針を示した。

13. 事業費用と撤去に関する質疑

事業全体の建設費用、国の補助金の有無、撤去費用積立制度の具体的な内容について質問があった。事業者側は、建設費は約600億円規模になる見込みで、国の補助金はない(設計費含む(同日17時前川追記))と回答。撤去費用積立については、国が2027年頃に導入予定の制度であり、事業者が売電収入の中から費用を外部機関に積み立てる仕組みになる見込みだと説明した。

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14. 閉会

予定時刻を大幅に超過し、午後9時30分頃、会場の利用時間の制約から、なおも質問が続く中で議事は打ち切られ、閉会となった。

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